演奏会雑記 『ドイツ旅行記』
[トップ] [序章] [第1章] [第2章] [第3章] [第4章] [第5章] [第6章] [第7章] [第8章] [終章] [おまけ]
ドイツ旅行記 【 第2章 】パイロットは何処へ? ~ そしてドイツ
9月 12日
勝川インターを下りてから渋滞はあったものの、なんとか集合時間の30分前ぐらいに到着した。
集合場所に行ってみると、なんだか人数が少ない。
「あれ?旭野のメンバーってこれだけだったっけ?」
すでに来ているメンバーに話を聞いてみると、半分ぐらいの人が到着してないとか。
前日の大雨で道路が冠水し、渋滞に巻き込まれているらしい。
あぁ。危ない所だった。
地元の人がそんな状態なら、三重県なら完全に間に合わなかっただろう。
前日の晩に出て正解だったな。
幸いな事に、旭野メンバーの中に、この洪水で家が水没した人はいないらしい。
もし、水没していたらドイツどころじゃないしな。予定通りのメンバーでドイツに行ける訳だ。
そうこうしてる間に定刻の集合時間は過ぎた。
う~ん。さっきから旅行会社のカウンターがあわただしい。
そりゃそうだろう。さっきから問い合わせの電話鳴りっぱなしだ。
依然、旭野メンバーは全員揃ってないし。
なんか、飛行機も定刻通り飛べないみたいな感じがする。
とりあえず、搭乗手続きが始まったけど、まだ3分の1の人は来てない。大丈夫だろうか?
スーツケースを預け、次は手荷物検査だ。
X線の画像って面白いよな。
チラッと見たんだけど、中身がそのままの形で見える。(当たり前か・・・)
長谷川さんの締太鼓はどんな風に見えるんだろうか。
のんきに考え事をしていたら私の手荷物が引っ掛かったよ。オィ・・・
不信物(?)を検査するためバックを開けました。
どうやら工具類(チューニングキーやラジオペンチ)がヤバそうに見えたらしい。
疑惑が晴れた所で身体検査のゲートをくぐる。
「ピンポーン!!ピンポーン!!」
うげ!また、引っ掛かった・・・
「あ・・・当たりですか?」
などとボケをかましてみたが、見逃してくれません。
着てる物を全て脱ぎ再検査と思いましたが・・・そんな事は無い
金属探知機で調べた結果、バンドとネクタイピンが原因だったらしい。
う~ん。さすがに恥ずかしい。(ちょっとオイシイとは思ったが・・・)
こんな時だけクジ運がいいんだよなぁ。(クジか?!)
ここを抜けると日本なのに日本じゃない領域に入る。
免税店がズラ~ッとあり、買い物をしたくなる衝動が。
しかし、機内に余計な荷物を持って行きたくないので、ここは我慢。
ドイツのフランクフルト空港に着いたら買い物しよう。(この時、意外な展開が待っている事を予想できなかった)
それよりも、早く飛行機に乗って機内食が食べたい。
・
・
・
現在、午後1時・・・
フライト予定時刻は午前10時・・・
今の所、30時間近く寝てない・・・
16時間食べてない・・・
すでに雨はやんでいる。
搭乗準備は整っているのに・・・
どうやらパイロットが洪水の影響で到着してないらしい。
もう、そんな事どうでもいい。腹が減って・・・何か食べておけばよかった・・・
ああっっ!隣の便は乗客にサンドイッチなんか配ってるしぃ!!!
「うぉー!!こっちにも何か食わせろー!!!」
と、心の中で叫んでみた。無駄だった。
隣からのサンドイッチの匂いが、とても虚しく腹立たしかった事の記憶が残っている。(半分意識を失いかけ)
ようやくパイロットが到着し、私達も飛行機に搭乗。
眠気と空腹で死にそうなのに
割と元気だったりする。
この飛行機に乗るのだ。
席は真ん中・・・
「窓の外が見たい~!」などと抑えていた子供心が戻る瞬間である。
そして離陸。
「ゴーッ!」という音と共に飛行機は滑走路を爆走。
機体が宙に浮いた瞬間は少し不快感。(あのフワッとした感覚が)
後ろの席で「ひやぁっ!」という声が聞こえる。
そういえば、旭野メンバーの中には飛行機発体験の人もいたな。 一気に雲の上まで抜け、しばらくすると安定飛行に入った。
いよいよ、待ちに待った機内食である。
その機内食。うお~!ウマそうだぁ!
「洋食と和食、どちらにしますか?」というような内容を外国語(英語かドイツ語かは分からなかった)で聞かれたので迷わず和食をチョイス。
17時間ぶりの食事である。
焦る気持ちを押さえ、いざ食する・・・
「う・・・うまいぃぃぃ!!!」
機内食がこんなに美味いものだとは思わなかった。
もちろん残す事もなく綺麗に完食。
満腹中枢が満たされると、次は眠気が・・・
心地よく揺れる飛行機をベットに深い眠りに入る。
実に32時間ぶりの睡眠である。
・
・
・
・
・
「んがつ!」
気が付くと、すでにドイツ上空だ。
う~ん。実に良く寝た。気分スッキリ。
よく寝たので時差ボケが少し心配だけど。(日本との時差-8時間(サマータイム))
しかし、2回分位の機内食を食べられなかった・・・残念である
さあ、フランクフルト空港に着いたら免税店が待っている!
ちょっと気分はちょっとハイだ。
飛行機は無事着陸し、フランクフルト空港内に入る。
入国手続きの時に「目的は?」と聞かれる。
今回の場合は何になるのだろうか?
一応エキストラ出演だから「ビジネス」って気もするけど、みんな「観光」と言っている。
じゃ、私も「観光」だな。
間違っても「ホームスティ」と言ってはいけない。(当たり前・・・)
入国手続きも終わり、次に乗る飛行機(ライプツィヒ行き)を確認。
すると、いきなり「急いでっ!!」の声が・・・
どうやらライプツィヒ行きは、もう少しで飛ぶらしい。
これは、ヤバイ!
急いで搭乗ゲートまでダーッシュ!!
すると前の方から
「なんたらかんたら ファーイブミニィーッツ!!!」(前の方は聞き取れなかった)
という叫び声がする。
はぁぁ!?あと5分しか無いって事ッスか~!?と本能的に言っている事が分かる。(ような気がした)
さらに急いで搭乗ゲートへ。
フランクフルト空港は広く、搭乗ゲートまでは結構な距離がある。
ヘトヘトになりながらゲートに到着。しかし、疲れる旅だ。
当然、手荷物検査がある。
な~んか、嫌な予感が・・・
はうっ!予感的中!
また引っ掛かったよ。オィ。
時間が無かったせいか、適当なチェックで通過OK(いいのか?それで?)
なんとか飛行機に乗り込む。
ふぅ。滑り込みセーフ。
みんな無事に乗れたのかな?人数を確認したら全員OK!よかった。
そして飛行機はライプツィヒを目指し飛び立つ。
さらばフランクフルト空港の免税店・・・(泣)
ライプツィヒ空港に到着。
フランクフルト空港に比べると、かなり小さいが立派な空港である。
さーて。あとはバスに乗って最終目的地のグリマを目指すのみ。
預けていたスーツケースを貰うため、荷物が出てくるコンベアの前でしばし待つ。
さらに待つ。
もっと待つ。
おかしい。
荷物が出てこない・・・
係員へ確認してみる。
結果、荷物は無い事が判明。
どうやら、乗り換え時間に余裕が無かったので、乗ってきた飛行機に荷物の積み替えが出来なかったとか。
明日、届けるという事になり自分のスーツケースの色や特徴を聞かれる。
なんか、日本の洪水といい、乗り換えといい・・・出足の悪い旅だなぁ。
一通り手続きが終わったので、バスに乗りグリマへ。
グリマに着いたらホスト(ホームスティ先の人の事)とご対面だ。
どんな人かなぁ。ちょっとドキドキ。
そういえば、明日まで着替えられないんだよね。勘弁してよぉ・・・
バスに乗ること約30分。グリマに到着。
旭野メンバー達は、学校の小さめな広場へ案内された。
広場はちょっとした祭り会場のように飾り付けがしてあった。
どうやら、旭野ブラスの歓迎会場のようだ。
しかし、ホストファミリーの皆さんお疲れの様子。
そりゃ、そうでしょうね。
飛行機が大幅に遅れて到着した訳だし。
かなり長い時間待っていたんだろうな。
時間も夜9時近いし。(たしか、これぐらいの時間だったような・・・)
私も疲れましたよ。肉体的、精神的に。
とは言っても、体は正直。
バーベキューコーナーのウインナーの匂いにつられて・・・
あと、本場ドイツビールも・・・
遠慮なく、いただきました!
「うっ・・・うまいぃぃぃ!!!」
これが本場の味かぁ~!
食事の最中、ちょっと視線が気になった。
向こうの方から、私達を見ている人が・・・
あっ!目が合った!!
おおっ!こっちに向かってきたぞ!
「※〇ゞ§∇!」(何を言っているか理解できなかった・・・) とりあえず、英語で自分の名前を名乗ってみた。
英語は少し喋れるようだ。
半分ぐらいは理解できた。嬉しかった。
どうやら、私達夫婦のホストファミリーらしい。
年齢も比較的近いため、すぐ仲良くなった。
名前は「トーマス」
(きかんしゃ・・・と言いそうになったが、グッと我慢。(^^;
奥さんは「サビナ」
とてもグラマーな女性だ。
この二人は、とてもラブラブである。
見ている方が照れてしまう。
話に夢中になっていると、今回の祭りの最高責任者「アムロ」が登場!
(決して小室ファミリーの一員ではない。当然といえば、当然だが)
それぞれのホームスティ先のホストファミリーを紹介していった。
当然、私達も紹介された。
わざとらしく、「オー!イェー!」などと言い、インチキ外人を装いウケを狙ってみた。
紹介後、いよいよホームスティ先であるトーマスの家に向かった。
車で30分ぐらい走った所にトーマス家はあった。
とても静かな住宅街である。
トーマス家は立派な3階建の家である。
トーマス家。おっしゃれ~!
手入れの行き届いた庭。
いいなぁ。こんな所に住んでみたいなぁ。
そして、ゲストルームへと案内された。
「え?本当にここ使っていいの?」と言いたくなるぐらい立派な部屋です。
バス・トイレ完備のゲストルームなんて初めてです。
とりあえず、標準装備(?)のディスク。
その後、リビングルームでシャンパンを飲みながら語り合う。気分は完全に国際人。
って言っても、国際人気分では言葉が通じる訳もない・・・
持ってきた「日独辞典」が大変役立った。(あねごの準備が良かった)
四苦八苦しながら会話した内容は・・・
・トーマスとサビナには2人の子供がいるそうだ。
・今は寝ているので、紹介は明日の朝。
・んで、2人は保険会社を経営している。
・仕事の方は忙しくて大変とか。
他にも色々話したが、あまり理解できなかった。(おぃおぃ・・・)
ドイツ語、英語、日本語が入り乱れる不思議な会話だったが、楽しい時間を過ごした。
さすがに疲れがピークに達していたので、この日は早々に寝る事にした。
なんか、3日分の出来事を1日で消化したみたいな疲れだ・・・
もう、歳なのだろうか?